トレイルハシルアラウンド

鎌倉脇道探索トレイルランナーのブログ。グループラン・トレランツアー・トレイルマップ・ビール。

マナーとルールを知らない守れない鎌倉トレイルを走るランナー達へ

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こちらは当ブログでも何度かご紹介している鎌倉トレイル協議会が作成した「鎌倉トレイル・ガイダンス&ルール」です。

1)人と自然に感謝しよう。
2)挨拶をしよう。
3)坂道はハイカー、観光客、親子連れが優先です。
4)すれ違うときは走らず、歩いて。
5)後ろから声をかけない方がいいときもあります。
6)トレイル以外に足を踏み入れない。
7)ゴミはすべて持ち帰りましょう。
8)すべての責任は自分にあります。
9)走らず、ハイキングを楽しむ時と区間。
a)ここは走りません。

 

http://www.orienteering.or.jp/event/2015/150111kamakura.pdf

この中で一番トレイルランナーに必要なマナーは「4)すれ違うときは走らず、歩いて。」だと思っています。自然を大切にとか、挨拶しようとかももちろん大切だとは思うんですが、昨今のトレイルランニング問題の原因を作っているのは「4)すれ違うときは走らず、歩いて。」を守れていない人が多いからだと思っています。

 

「鎌倉トレイル・ガイダンス&ルール」ができる前までは正直私も走ってすれ違っていた時もありましたが、今ではほぼ100%歩いてすれ違っています。ほぼと言うのは、車でも通れるほどの道幅のあるトレイルでは状況によっては、ゆっくりですが走っているときがあります。この辺の判断は難しく、マナーとルールを認識した上で臨機応変に対応することが必要だと思います。ただ基本的には、すれ違う相手が観光客でも登山客でもトレイルランナーでも歩いてすれ違うようにしています。

 

 

トレランで歩いてすれ違う人がどれだけいるか数えてみた

先月3月27日(日)に鎌倉トレイルで走ってきた時のことです。2時間20分ほどかけて鎌倉横浜トレイルを17km走ってきました。いつもより少し遅めの朝8時に鶴岡八幡宮をスタート。
朝の散歩をしている方、観光客、登山客、ロードランナー、トレイルランナーなどたくさんの人とすれ違いました。

 

この日、トレイルで走っている人とすれ違った回数は10回。
歩いてすれ違う人がどれだけいるのか数えてみました。結果はこの通り。

○ 単独トレイルランナー
○ 単独トレイルランナー
○ 単独トレイルランナー
× 単独ロードランナー
× 団体トレイルランナー(8人)
× 単独ロードランナー
× 団体トレイルランナー(3人)
× 単独ロードランナー
△ 単独ロードランナー
○ 単独トレイルランナー

※○が歩いてすれ違った、×が走ってすれ違ったです。△は曲がり角で出会いがしらだったのでお互い急停止(これは私も反省)。
※トレイルランナーとロードランナーの判別はウェアのみ。けっこう雰囲気違うので、だいたい合ってると思います。
※ここで言うロードランナーとは近所の山で練習程度に走るけど、遠くの山に行って走ったり、トレイルレースに出たりまではしないだろう主にロードを走っているランナーのことです。

 

ルールを守れてきている単独トレイルランナー

一目瞭然ですが、単独トレイルランナーはこの日に限って言えば100%歩いてすれ違っていました。すれ違い時のルールを知っていたとしても、お互いトレイルランナー同士だと走ってすれ違う人もけっこういるんですが、この日はみなさん歩いていたので少し驚きもありつつ、嬉しくありました。鎌倉トレイルを走るトレイルランナーたちにはルールが広がってきていると思います。

 

 

ルールを知らないロードランナー

ロードランナーに関しては最近はもうしょうがないな・・と思っています。トレイルで起きている問題自体を知らないんです。ランニングのマナーやルールに対しての意識の差も大きいのではないかと思っています。

これはロードを走っているときの私も含めてですが、ロードランナーのマナーの酷さはよく目にします。人混みを止まらずスピードも落とさず走る、信号無視、信号のない場所を横切る、暗い夜道をライトを付けずに走るなど、危険な走り方をしている人がとても多いです。(私にも言える事もあるのでエラそうに言えませんが・・)

 

ある意味ではトレイルランニング問題はトレイルランナーだけではなく、ランナー全体の問題ではないかと思っています。たまたまトレランが山の新参者ということもあってメディアに取り上げられ問題になっていますが、ロードも歩行者との問題があちこちで起きているはずです。ただロードの場合は問題の数が多過ぎて、その問題の大半は当たり前のことのようになってしまい、歩行者や世間はあまり気にもしなくなってきている部分があるんじゃないかと思います。危険だし邪魔だけど、ランナーってあーゆうもんだもんねって。(これは自分のことでもあるので反省しなければいけませんが)

そのロードランナー達の当たり前の意識をトレイルにそのまま持ってきて、問題が起こっています。なのでトレイルランニング問題の解決にはトレイルを走らないランナーも含めてランナー全体のマナー向上が必要だと思っています。とても難しい問題です。

 

 

ルールを知っていても集団になると守れない団体トレイルランナー

そして団体トレイルランナー。
これは私がトレイルランナーだから走ってすれ違うのかわかりませんが、この日に限らず団体トレイルランナーのほとんどが走ってすれ違っていきます。1人のときは守れても、団体だと守れなくなるんでしょうか。トレランでも集団心理というものが働くんでしょうか。

 

集団心理について調べていたらとても興味深い内容を見つけました。社会心理学者のル・ボンが提唱した古典的な群衆心理の仮説をご紹介します。

ル・ボンが提唱した群衆心理の法則

 

1.道徳性の低下

群衆に混ざると個人のモラルは最低レベルにまで低下し、無責任になり衝動的に行動しやすくなる。ある人が石を投げたり、物を壊したりすると多くの人が同調し、止められなくなる。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というギャグは群衆心理における道徳性の低下を表している一言といえるかもしれない。

 

2.暗示にかかりやすくなる
群衆になると暗示にかかりやすくなり、正確な判断力が失われてしまう上に心理的な感染が顕著になってくる。たくさんの人が集まる場所で火事などがおきると、一斉にパニック状態になって非常口がいくつかあるにも関わらず、同じ出口にみんなが殺到したりするケースなどがこれに該当する。

 

3.思考が単純になる
個人では思慮深い人であっても群衆にまぎれることによって、無意識のうちに個人としてのアイデンティティが低下してしまい、モノの見方や考え方が単純になる。そのことで結果的に感情的な考え方や行動が顕著になってくる。

 

4.感情的な動揺が激しくなる

感情の動揺が強くなり、興奮状態に陥りやすくなる。音楽ライブなどはこのような群衆の興奮しやすい性質を上手く利用している好例と考えられる。

 

「1.道徳性の低下」なんてまさにそうですね。「トレイルラン、みんなで走れば怖くない」

 

私は団体行動があまり好きではないので、団体で走ることはほとんどありません。団体で走ることになったら、もしかしたら私も単独で走るときよりもマナーとルールが守れないランナーになってしまうのかもしれません。

悪い群衆心理が働かないようにするためには、個人のマナーとルールの意識を高めることも必要ですし、チーム内にマナーとルールを守らせることのできるリーダーが必要なんだと思います。

団体(2人以上)でトレランするときはチーム内でマナーとルールを共有し、リーダー(先頭を走る人)は率先してマナーとルールを守って走ることを心掛けてほしいです。

 

 

 

誰もがトレイルを気持ちよく走れる日が来ることを願っています

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最近、鎌倉でトレランしているとマナーとかルールとかそんなことばかり気にして走ってしまい、気持ち良く走れないときがあります。

私がトレランのマナーやルールをそこまで考えるのは、自分のホームのトレイルが走れなくなってしまうのを防ぎたいという気持ちが1番ではありますが、このブログを見てくれた方がトレイルでのマナーやルールを気にする切っ掛けになり、すれ違うときに歩いてくれて、そこで登山者と会話が生まれたり(鎌倉はないけど高尾や奥多摩はそこそこ話しかけられる)、歩いてでしか気づけない景色を見つけたりして、山をますます好きになってくれたら嬉しいと思っています。

そんな人が増えてきたら、誰もがトレイルを気持ちよく走れる日が来るんじゃないかと思っています。

 

 

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